終わりました、2006年のワールドカップが!
こんなに多くの試合を一生懸命観た大会は初めてです。
それだけ面白い試合が多かったということですよね。
決勝戦はまさに世界一を決めるにふさわしい2チームの
対戦でした。
攻守にわたり、世界の中心にいる選手たちが力の限りを
尽くして戦っていました。
120分間+PK戦の数分間。
眠気に襲われることもなく、最後まで息をのんで
見守ったゲームでした。
遠くドイツのスタジアムで行われているゲームを
テレビを通して観ているだけなのに、
選手たちの集中力と勝利への執念を
しっかりと感じられましたから。
もう何度も同じことを言ってしまうけれど、
あれほど世界で認められている選手たちだって死力を尽くして
懸命に戦っているのに、どうして日本の選手は、
それができなかったのだろう。
「負けても仕方ない」
日本代表の大半の選手がそう思っていた気がしてなりません。
悔しくないわけはないと思うけれど、努力してないわけでは
ないと思うけれど、それでも「もっと出来たんではないか?」
「なぜ、最後までボールを追わなかったのか?」という
猛省の感情をあらわにした選手は中田以外にいなかった。
負けてからのコメントにも態度にも、
ハングリー精神が感じられなかったことに改めて絶望するし、
このままでいったら、いつまで経っても日本サッカーは
成長しない気がして無性に悲しくなってしまいました。
「参加することに意義がある」って言葉が日本にはあるけれど
それはワールドカップでは通用しない言葉です。
参加するだけでいならオリンピックで十分。
ワールドカップの予選に参加する以上、
出場するだけでなく、いかに決勝に近づくかを
選手も、スタッフも、そして応援する国民ももっと深く、重く
考えていかなければダメだと思います。
さて、話を決勝戦に戻しましょう。
昔の守備一辺倒だったイタリアと違い、今回のイタリアは
攻撃にも積極的。
トッティやデル・ピエロに一時の輝きはなかったけれど
それでも必死さは伝わってきました。
わずかなチャンスでも、みんな迷わずシュートを打つし、
セットプレーも、DFのオーバーラップなどから
かなりの確率で決定機にしていましたね。
一方のフランスも守備と攻撃のバランスがよく、
イタリアに対してかなり優勢を保っていた時間もありました。
ただ、どちらの攻撃も、今大会の最大の見所であった
GKの好セーブで(本当にGKの活躍が目立った大会でしたよね)
何度も“魅せる”プレーがあったにもかかわらず
得点に結びつかなかったところが、また面白い!
ちなみに、大会を通じての1試合平均得点は2.29点(64試合147点)と
過去2番目の少なさ(最少は90年イタリア大会の2.21点)らしいですが
全然、そんなことを感じさせない大会じゃありませんでした?
それもGKの活躍ゆえに、でしょう。
そんな接戦の流れを変えたのはすべて、あれ。
ジダンの頭突き。
よっぽど嫌なことを言われたんだろうけれど、あの行為で
自身のサッカー人生をレッドカードで終えると同時に、
チームメイトを奈落の底に突き落としてしまったんですから
もったいない。
ジダンの退場から先は「優勝したい」という気持ちが
フィールド内で1人分多いイタリアに、流れが傾いたと思います。
PK戦も安心して観ることができました。
最後のPKが決まった瞬間から
まるで子供のように喜び騒ぐイタリア代表にはテレビの前で拍手。
「長くてうっとおしい」と思っていたカモラネージのロン毛も
フィールドでの断髪式をみて「ああ、願掛けだったんだ」と
初めて知りました。
嬉しそうにハサミを入れられ、自分の毛束をもって
テレビカメラにみせつける様子がかわいい。
そして、試合中もいぶし銀の活躍を見せていた
キャプテン・カンナバーロ。
台の上にのっかって雄叫びながらワールドカップを
掲げる姿に感動してしまった。
ということで、スコアこそ1−1でしたが、見所は満載で
いままでになく楽しいワールドカップ決勝戦だったと思います。
次の“お祭り”までこれから4年間、
こんなに楽しいお祭りがないのかと思うと寂しい。
次は南アフリカかぁ。行けるかしらん。